アバロンクラシック
 初期作品、システムが後の原型に
スターリングラードはアバロンヒルが発売した、アバロンクラシックと呼ばれる最初のオリジナル9ゲームの一つだ。ゲティスバーグ、タクティクスU、Uボート、チャンセラヴィル、Dデイ、南北戦争(CIVIL War)、ワーテルロー、ビスマルク、スターリングラードの9つでこのうち3作品を所有していた。

独ソ戦を少ないユニットで
 2対1以下の攻撃怖かった
              スターリングラード

 題名はスターリングラードだが、ここでは第2次大戦の独ソ戦そのものがシミュレートされている。ソ連軍を全滅させるか、モスクワ、レニングラード、スターリングラードの3都市を同時に占拠することがドイツの勝利条件だった。6角形のヘックスがユニット(駒)が動く升目で、部隊の周囲はZOC(ゾーンオブコントロール)として相手の移動を妨げる。二つのユニットに挟まれると包囲されたとみなされた。
 攻撃はさいころの目で結果を決めるが敵味方の戦力の比率で結果が違っていた。防御側全滅、防御攻撃相打ち、防御後退、攻撃後退、攻撃全滅の5種類しかなく、相手に包囲された地点での後退は全滅となる。ユニットは軍団単位で数も全部で100程度と少なくユニットが一つ消えると痛い。攻撃対防御が2対1でも攻撃側全滅ということもあり、できるだけ3対1以上の比率で攻撃すべきだった。
 駒の数の少なさと、移動に求められる読みからシミュレーションよりも将棋のようなゲームをしているような雰囲気もあった。日本語の翻訳マニュアルはわずか12ページ。後期のものは100ページを越えるのが普通であるのに比べるとルールはずいぶん簡単だった。


 戦力均衡の架空戦
    空軍、海軍も登場し白熱
                タクティクスU

 タクティクスUはレッドとブルーの2国に分かれての仮想戦。初級ルールはアバロンクラシックそのものだったが、上級ルールでは空軍や海軍も加わり、生産の要素や戦力の分割もできるなどかなり複雑な戦いを楽しめた。仮想戦のため、地形も変化に富み、二つの国の戦力も均衡で何度やっても飽きがこなかった。


上級はルール複雑ユニット多数

   なじめなかった南北戦争
           ゲッティスバーグ

 米国南北戦争(GETTYSUBURG)はアバロンの 極初期の作品で、南北戦争の激戦の地、ゲティスバーグの戦いをテーマにした作戦・戦術級のゲームだった。我が家のコレクションの中でもかなりはじめの方に購入した。入門用、中級、上級と3つのルールがあり、入門こそスターリングラードなどに近いルールだったが、中級、上級はかなり複雑で当時のゲーム初心者にはなかなか手がでなかった。南北戦争というテーマもなじめなかった。


 アフリカ戦をクラシックで
   短時間で決着 トーナメントにも
              ドイツアフリカ軍団

 クラシックの9作品ではないがドイツアフリカ軍団(AFRICAN KORPS)は、シンプルさとルールからいって同じような雰囲気の作品。ロンメルを中心としたドイツ・イタリア軍とイギリス軍とのアフリカ地中海側での死闘を描いた。これもユニットの少なさから短時間で決着がつき、ゲームコンベンションなどでの大会に使われた。