太平記巻の20の4


 悲運のすれ違い
義貞寵妾匂当内侍の事

義貞と相愛の仲だった匂当内侍は、義貞が越前に下ってから京で待ち続けた。「もう道中も心配なくなった」と迎えがきてこの三年間闇の中でさまよっていたのがにわかに夜明けになったような心地でまず杣山までいった。さらに義貞が足羽へ向かったというので向かったら浅津(福井市浅水)で瓜生照と遭い義貞が死んだことを知らされる。
 匂当内侍はいったん杣山に入った後京の仁和寺へ戻った。義貞の首と対面し髪を下ろし嵯峨に草庵を結んで義貞をしのんだ。
 
 奥州下向勢難風に逢う事
 結城入道病死の事
 

 吉野では劣勢を挽回するため奥州に義良親王と北畠顕信らを奥州に送る。しかし舟は強風に阻まれ親王は吉野に戻り後に後村上天皇となる。頼みの結城入道は途中で亡くなる。


 
  太平記の袖舞台