二百十日、雨 長月が始まり台風も近づく

雑節・二百十日

季節の変わり目を現すことの多い雑節の中で台風がやってくる厄日とされている「二百十日」。立春から210日目だ。季節が夏から秋に変わろうとするころとなる。

雨模様となった「二百十日」の9月1日の空

2018年は9月1日が二百十日。暦の上でもちょうど秋の始まりの日だ。

 

台風が来襲する日とされ、風の害を防ぐため風祭りを行う地域もあった。

この時期台風が多いのは確かだが、実際に台風が多くやってくる特異日というわけではない。

ことしは台風が多く8月までに21個が発生した。

8月最後に発生した台風21号は太平洋上を北上中。9月3日夜には日本に接近しそうだ。

多くの都市は二百十日から9月が始まる。季節では秋だ。

9月は「長月」 和風月名

二百十日となった9月1日。9月の和風月名は「長月」。

柿が少し色づいてきた。気温も少し下がり秋が近づく

夜が長くなるから「夜長月」が略された説もあるし、秋雨の降る「長雨月」からきているともされる。ことしは梅雨前線が本州を縦断するように停滞し、北陸から東北にかけて大雨となった。これから台風21号もやってきそうだ。

9月1日の夕焼け

前の雑節は夏土用

次の雑節は二百二十日。

命に関わる猛暑続き、夏土用入り

雑節・夏土用

「土用」は季節の変わり目を象徴する年に4回ある。4月の春土用に続くのが夏の土用で土用の丑の日に、全国でウナギを食べる風習がある。4つの土用のうち夏の土用が広く知られている。2018年は7月20日が土用入りで立秋までの18日間。

 7月20日が春土用入り

 7月20日と8月1日が丑の日

 8月6日が土用明け

 8月7日が立秋

丑の日にちなんで「う」のつくものを食べる習慣がある。万葉集のころから風習はあり、江戸時代に平賀源内が広めたという「ウナギ」を食べることが広がっているが牛の肉、ウリ、うどんを食べることも。これから本格化する夏を乗り切る体力をつけようという習慣だ。

土用の前から猛暑が続く。大地に蒸気が立ち霞む=2018年7月19日

だが2018年は土用を前に日本各地は猛暑に見舞われ、岐阜県多治見市で18日に気温40度を超え、19日も京都で40度間近になるなど既に異常高温。熱帯夜も続く。

また土用は虫干しすることもある。農作業でも節目で水田の水を抜く時期でもある。

土用は夏の季語

小豆買うて煮んとぞ思ふ土用入 高浜虚子

ふかぶかとしみたる雨や土用入り 木津柳芽

土用鰻息子を呼んで食はせけり 草間時彦

 

 

半夏生、農作業休みタコ、鯖、うどん食べる日

半夏生前日の7月1日の夕景

雑節・半夏生

夏至から11日目。ドクダミの仲間の薬草半夏(はんげしょう)がこのころ生えていくのでこの名が付いたという。2018年は7月2日。

半夏生の期間は5日間。この日までに田植えを終わらないと秋の収穫に半分しか間に合わないともされ、全国的に農繁期の休みの時期でもある。いったん農作業を休んで次の忙しい時期に備え、おいしい食べ物を食べ休養をとる。ちょうど1年の折り返しの時期だ。

半夏生7月2日の空。田んぼは苗が成長して緑が深まっている。

大阪地方を中心に関西では稲の穂が多くに分かれて成長するようにとの願いを込め足の多いタコを食べる習慣があるという。

福井県の岐阜県境に近い盆地の大野市では鯖を焼いて食べる。 海から遠い大野では江戸時代、大野藩主が田植えに疲れた農民を思いやり、飛び地のあった越前海岸で捕れたサバを丸焼きにし、食べさせたのが始まりといわれる。市内の鮮魚店ではサバを串に刺して丸焼きにして販売している。

香川県ではうどんを食べる習慣があり、半夏生の7月2日が「うどんの日」になっている。

ハンゲショウは、水辺や湿地に見られるドクダミ科の多年草。花の下の葉が半分だけ、おしろいを塗ったように白く変わるため「半化粧」と呼ばれるという説もある。

半夏生は夏の季語

「風鈴の夜陰に鳴りて半夏かな」 飯田蛇笏

「いつまでも明るき野山半夏生」草間時彦

半夏生は七十二候の言葉でもある。

前の雑節は「入梅」6月11日

次の雑節は「夏土用」

入梅、ことしは列島全体が梅雨入り

雑節・入梅

立春から135日目。6月11日になることが多い。2018年の入梅は6月11日。

 北陸地方梅雨入りから1日後の6月11日。入梅の日雨は夕方から降り始めた。

入梅は文字通り梅雨に入ることを意味する言葉だ。梅雨は一般的に「つゆ」と呼ばれることが多いが気象用語ではもともとは「ばいう」と呼ばれる。東アジアだけに現れる雨季で日本の南岸から中国の揚子江付近に前線が停滞し長雨となる。停滞した前線を梅雨前線(ばいうぜんせん)と呼ぶ。梅の実がなる頃だから梅雨と名付けられた。旧暦では5月に当たることからこの時期の雨を五月雨(さみだれ)と呼んだ。

入梅は暦上でもともと重要な言葉だが、現在はは各地域の気象台ごとに梅雨入り、梅雨明けを発表しているためシンボルリックな意味合いが強い。ただ入梅といわれるとジメジメした季節がやってきたと感じる。

今年は沖縄は5月8日、九州四国は5月26日から28日。中国6月5日。近畿、東海、関東甲信が6月6日。北陸、東北南部が6月10日。

そして東北北部が平年より3日早い6月11日に梅雨入り。入梅と一致した。入梅の日にちょうど北海道を除く日本列島全体が梅雨に覆われたことになった。

 

前の雑節は八十八夜 5月2日

次の雑節は半夏生

八十八夜、新緑が鮮やか、田植えも

雑節・八十八夜

八十八夜は小雨模様。水を張った田んぼが増えてきた

 

「夏も近づく八十八夜」と文部省唱歌でおなじみの「八十八夜」は雑節の一つ。立春から数えて88日目の日を表す。2018年の立春は2月4日。八十八夜は5月2日。

 

 「88日の別れ霜」という言葉もあり、このころにはもう霜が降りず、朝晩の寒さもなくなる。若葉が広がる新緑の候でもあり、一番茶を摘む季節だ。

 

 夏も近づく八十八夜

 野にも山にも若葉が茂る

 あれに見えるは茶摘みぢやないか

 あかねだすきに菅(すげ)の笠

 

 日和つづきの今日このごろを

 心のどかに摘みつつ歌ふ

 摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ

 摘まにゃ日本の茶にならぬ

 

 こののどかな茶摘み歌は、まさに日本の野山の初夏の原風景そのものだ。

 

 平野の八十八夜は田んぼに水が張られ、一部では早稲の田植えも行われ、麦は青々と穂を伸ばす。

春土用、肌寒い一日だった

雑節・春土用入り

2018年4月17日は雑節の「春土用入り」。

春土用入りの4月17日朝は曇り空

「土用」は季節の変わり目を象徴する年に4回あり、ウナギを食べる風習がある夏の土用が広く知られている。

「土用」は季節の変わり目を象徴する雑節で春土用はあまりなじみないが、立夏までの18日間。

 4月17日が春土用入り

 4月27日が丑の日

 5月4日が土用明け

どんどん暑くなってきて土用明けは初夏の雰囲気がやってくる。

土用入りの17日は曇りから雨模様で肌寒い一日だった。

春土用。4月17日夕は小雨が降り出し肌寒い

 

彼岸明け、好天墓参り日和

雑節・彼岸明け

雑節の春彼岸は7日間。2018年は3月18日から3月24日まで。3月24日が彼岸明けだった。

彼岸明けの3月24日朝には太陽にかかる暈が見えた

雑節の中でも仏教との結びつきの強い彼岸は中日の春分の日を中心にその前後に墓参りをする人が多い。しかし今年は彼岸の入りの18日頃から下り坂で21日の春分の日は全国的に風も強く冷たい雨の降る雨模様の天気。墓参りを延期する人もいた。

墓地の上には巻雲や巻層雲が広がる

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彼岸明けの3月24日は朝から青空。寒さも和らぎ墓地には春の暖かさを待ちわびた人たちが次々とやってきた。少し風が強くろうそくの火や線香を燃やすのに少し苦労しながら先祖の墓に手を合わせていた。

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 朝には巻層雲を通して太陽に暈がかかったり、一時雲が広がった後、夕方には夕日が見えるなど春の彼岸日和となった。

雑節・社日

雑節・彼岸の入り

二十四節気・春分

社日、地域の神社をまつる日

雑節・社日(しゃにち)

社日は土地の守護神である産土神(うぶすながみ)をまつる日。春、秋に1回ずつあるが、雑節の中でもあまり知られていない。恥ずかしながら筆者もことし初めてこの日のことを知った。

いつも使っているスマホ用のデジタルカレンダーの3月23日に「社日」という項目があった。調べてみる雑節の1つで上記のような意味合いの日とわかった。ただ2018年の日にちは3月23日でないことが多い。

3月23日の夕景

【春分、秋分の日に最も近い戊(つちのえ)の日が社日となる】。これが社日の定義だ。

戊とは古代の中国から使われている十干(じっかん)の1つ。十干とは古代の数字のようなもので甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の呼び名があり10日で一巡する。それぞれに意味合いがあり5番目の戊は勢いよく葉が茂る様子を現し反映を意味するという。

いろんな暦をみると3月の戊は17日か27日で春分に近いのは17日。3月17日が社日で、地域の神社に参るべき日だったようだ。この春はもう終わってしまったので秋の社日に注目したい。2018年の秋の社日は9月23日となる。

春社日の3月17日の夕日

先に紹介したデジタルカレンダーは9月19日が秋社日。なぜこうなっているのかもう少し考えてみたい。

次の雑節は5月の「八十八夜」

前の雑節は「彼岸」

「彼岸の入り」夕日は西へ、暖かさ戻る

3月18日は2018年の雑節の彼岸の入り。

川の向こう、西に沈んでゆく夕日=2018年3月17日

彼岸は仏教用語で現実世界の此岸(しがん)に対し理想の世界を彼岸と呼んだ。理想の世界「極楽」が西方浄土、西にあるということから出てきた言葉だ。雑節の彼岸は春と秋の2回ありそれぞれ7日間。その彼岸の中日が二十四節気の春分と秋分。この日はちょうど真西に沈む。最も西に近い日ということになる。二十四節気や雑節の中で明らかに仏教と縁があるのは彼岸だけだ。

冬から春にかけて夕日の沈む場所は南西から北西への移動する。彼岸はほぼ真西の方向へ。日没の時間も次第に遅くなり、日の出の時間は早くなる。日中の明るい時間がどんどん増えて地面を暖め気温が上がっていく。

福井市の場合、3月1日の日の入りは17時50分だったのにほぼ1分のペースで遅くなり、3月12日に18時ちょうど。3月18日は18時5分、春分の3月21日は18時8分となる。

日の出も3月1日は6時26分だったのに18日には6時2分。20日5時台となり、21日は5時58分。

彼岸入りの3月18日の天気は午前中は青空が見えたものの午後からは曇りで夕日が見えなかった。

彼岸の入りの3月18日午前中は暖かく青空が広がった。

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彼岸の入りの3月18日の朝の空。巻雲広がり午後は曇り

前日の3月17日は晴れ上がり、きれいな夕日が見えた。地平線の真ん中に沈んでいく夕日はほぼ真西の方向だった。ことしの彼岸は24日の彼岸明けまで。

夕日は西へ

夕日の上に飛行機雲=3月17日

彼岸に入って再び気温も上がった。福井市の最高気温は18.6度。平年より6.6度、前日より9.2度も高かった。

 

次の雑節は春土用。4月17日から。

前の雑節は節分

 

 

春を呼ぶ節分、でも今年は寒波また接近

雑節・節分とは

節分の夕方、明るい日差しに恵まれた=高岡市

節分は雑節の一つで実は年に4回ある。

旧暦の季節の始まりである、二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬の一日前をいう。ちょうど季節の変わり目を意味する。

 でも今は一般的に節分といえば2月

立春の前日をいうことが多い。

やはり冬から春への変化、寒い冬から暖かい春への変化を望む人々の心が季節の移り変わりの象徴として春の節分に強い思いが集まったのだろう。

 鬼の伝説も多く豆まきの風習は各地に広がっている。巻きずしを食べる恵方巻など新しい風習も出てきている。

 2018年の節分は2月3日。日本海側では雪も一段落し、比較的あたたかな日だった。

 節分が近づくにつれ、いったん寒気も消え、大雪で街を覆っていた雪もどんどん消えていった。

1月は雪が降る日が多く屋根の雪も多い
節分の2月に3日には屋根の雪もかなり減った

 

4日は立春。春が近づいてくるはずだが、実際の天気は4日から再び寒気が下りてくる。もうしばらく寒い日が続き雪も懸念される。「節分寒波」「立春寒波」という言葉が毎年のようにニュースに出てくるように節分、立春はまだまだ寒い。

次の雑節は彼岸の入り

節分の日の夕景=富山県高岡市